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三次元屋の業務日記


by 3dsurveyplus

アイロボット社と日本の技術

福島第一原発はいまだ予断を許さない状態が続いています。

核燃料の破壊熱を下げるための注水、それによって起こる高濃度
汚染水の増加・・・。

現場、特に建屋内は高線量下の状態にあり、作業員が近づける状態には
ありません。
そんな最中の昨日、アメリカのアイロボット社から提供された
「バックボット」という遠隔操作ロボットが建屋内へ投入されました。
アイロボット社と日本の技術_b0121655_9473388.jpg


そのアイロボット社、最近CMでもおなじみ、お掃除ロボット
「ルンバ」を製造販売している会社ですが、主な事業は、軍事用、地
雷除去ロボットの開発、製造です。

アメリカの「トモダチ作戦」、世界各国からの支援、さまざまな世界
各国の民間企業からの支援、たいへんありがたいことです。

しかし、上記のアイボット社のような支援を丸のみの形で受け入れる
事には、正直疑問を持っています。

現在日本国内において、東海発電所(1号機)が廃炉作業を行って
おり、すでに運転を終了した浜岡1、2号機、廃炉を予定している美浜
1号機については、東海1号機で得たノウハウと経験を応用し、安全な
廃炉を行っていく計画を立てています。

福島の1、2、3、4号機の廃炉は免れない事実ですが、この作業におい
て、主要な部分を外国企業まかせになってしまう可能性が一部で懸念されて
います。

現在東海1号機においては、日立・東芝・(日揮)の3社において廃炉作
業が進められていますが、これまでの作業で蓄積したノウハウと経験を
活かす場が、政府の旗振り次第によっては、すべて失われるかもしれません。
そうなれば、今後国内で続く廃炉に関するノウハウと経験は空洞化が考えら
れます。

さきに紹介したロボットのお話しですが、
「ロボットを公に開発する=原子炉は危険だからだろ!」という馬鹿な
公式が邪魔をしていたのも事実です。
しかし実際には大学の研究機関や民間企業が知恵と技術とお金を使い
アイロボット社にも負けていないロボットを多数開発しています。
一方は軍事産業の副産物、一方は純粋に災害支援、資金面で考えても
すごいアドバンテージのある環境にも関わらずです。

たとえば、JOC臨界事故の教訓から開発された、放射線測定も
おこなえる「防災モニタリングロボット」
(左のロボットはよく見るとリーグルのスキャナが載ってますね)
アイロボット社と日本の技術_b0121655_10254424.jpg

3月14日には現地入りしていましたが、なぜか利用されず。。。

政府は、アメリカやフランスに今回の被災支援で大きな借りを作ってしまった
のも事実ですが、その後に見え隠れする「廃炉ビジネス」をそっくりそのまま
海外企業に持って行かれ、国内の技術が衰退してしまう懸念を持つべきだと
思います。

避難されている方を危険にさらす、避難期間を延ばすような、外からの支援を
拒んで自己満足的な技術の鎖国をすることは、けっして行ってはならない
行為ですが、国内にもすばらい技術や人材、機材が多くあるのに活かされない
事実、この瞬間もいら立っている人がたくさんいるはずです。

岡山大学と重機メーカーのタダノ社が開発した「ロボトプス」。
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こんなときこそ、国内の技術と人材を結集し、すぐに動ける体制を国のバック
アップのもと出来ないのでしょうか!
ソフトバンク孫さん、ユニクロ柳井さん、ニトリ似鳥さん
義援金の次はこのような技術をバックアップする、資金援助をぜひご検討下さい!
by 3dsurveyplus | 2011-04-19 10:41 | その他